前立腺がん

前立腺がんとは

前立腺は膀胱の下に位置し、尿道を取り囲む男性特有の臓器です。前立腺がんは、この前立腺に発生するがんで、日本でも増加している代表的ながんの一つです。多くの場合、進行は比較的ゆっくりですが、進行すると

  • リンパ節
  • 骨(特に骨盤・脊椎)
  • 肺や肝臓などの遠隔臓器

へ転移することがあります。初期には自覚症状が乏しいことが多く、PSA検査を契機に発見されるケースが一般的です。


前立腺がんの検査

前立腺がんの診断では、以下の検査を組み合わせて評価します。

  • PSA(前立腺特異抗原)検査
  • MRI検査
  • 造影CT検査
  • 前立腺生検

特にMRIでは、

  • がんの位置
  • 前立腺の外へ広がっていないか
  • 周囲の組織への広がり

などを詳細に評価します。Yasumoto IVR Clinicでは、画像診断専門医による精密な読影により、前立腺がんの進行度を正確に評価します。


前立腺がんの治療

前立腺がんの標準治療

前立腺がんの治療は、進行度やリスク分類に応じて選択されます。

  • ホルモン治療(内分泌療法)
  • 放射線治療
  • 手術(前立腺全摘除術)

前立腺がんはホルモン療法や放射線治療が中心となることが多く、患者様の状態やがんの性質に応じた治療方針の決定が重要です。

Yasumoto IVR ClinicにおけるIVR治療

当院では、前立腺がんに伴う症状に応じて、低侵襲なIVR治療を適切に取り入れています。

放射線治療を支える金マーカー留置

放射線治療では、照射の精度を高めるために腫瘍の位置を正確に把握することが重要です。当院では、必要に応じて前立腺内に金マーカーを留置し、照射時の位置確認を行いやすくする処置を日帰りで施行しています。

これにより、

  • 照射位置のずれを抑え、精度の高い治療が可能となる
  • 周囲の正常組織への影響を軽減できる

といった利点があります。

CTを見ながら短時間で正確な位置に細い金属のマーカーを留置。その後の正確な放射線治療のために有効となります。

*治療装置や治療方法によっては、金マーカーを使用しない場合もあります。

リンパ節転移に対するIVR治療

前立腺がんでは、骨盤内や後腹膜リンパ節への転移がみられることがあります。当院では、限局したリンパ節転移に対して

  • 画像ガイド下局所治療
  • カテーテルを用いた治療

などを組み合わせ、病変の制御を図ります。

リンパ節転移について

骨転移に対するIVR治療

骨転移は前立腺がんで比較的多くみられ、疼痛や骨折の原因となり、生活の質(QOL)に大きく影響します。当院では、骨転移に対してIVRによる局所治療や疼痛緩和Iを行い、症状の改善と生活の質の向上を目指します。

遠隔転移に対するIVR治療

進行した前立腺がんでは、複数の臓器に転移を伴うことがあります。当院では、病変の分布や性質に応じてIVRによる局所治療を組み合わせることで、全身治療だけでは難しい病変の制御向上を図ります。


当院の治療戦略

前立腺がんは比較的進行が緩やかな一方で、

  • 転移病変のコントロール
  • 長期的な病勢管理

が重要となります。当院では、精密な画像診断やIVR治療、放射線治療との連携を通じて患者様の状態に応じた診療を行い、治療全体を支える役割を担っています。


このような方はご相談ください

  • 前立腺癌の治療についてセカンドオピニオンを希望される方
  • 放射線治療に伴う補助的処置(マーカー留置)を検討したい方
  • リンパ節転移・骨転移などに対して薬物療法以外の治療を検討したい方
  • ホルモン療法と併用可能な局所治療を検討したい方

当院では、IVRを活用した低侵襲な治療を含め、患者様の状態に応じた診療を行っています。

前立腺がんの治療についてご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。


前立腺肥大症

前立腺肥大症とは

前立腺は、暴行の下で尿道を取り囲む臓器です。前立腺肥大症は、加齢に伴い前立腺が大きくなり、尿道を圧迫することで排尿障害を引き起こす疾患です。

中高年男性に多くみられ、年齢と共に増加します。

主な症状:

  • 尿の出が悪い(尿勢低下)
  • 頻尿(特に夜間頻尿)
  • 残尿感
  • 尿が途中で途切れる
  • 急に尿意を感じる(尿意切迫)

進行すると、尿閉(尿が出なくなる状態)や腎機能障害の原因となることもあります。

一般的な治療

前立腺肥大症の治療は、症状の程度に応じて選択されます。

  • 薬物療法
  • 内視鏡を用いた手術(前立腺を削る手術)

薬で症状が改善しない場合には、手術が検討されますが、

  • 出血
  • 全身麻酔のリスク
  • 術後の合併症

などが課題となることがあります。

Yasumoto IVR Clinicにおけるカテーテル治療(PAE)

当院では、前立腺肥大症に対して、前立腺動脈塞栓術(PAE:Prostatic Artery Embolization)という低侵襲なカテーテル治療を行っています。

前立腺肥大症に対するPAE

前立腺を栄養している動脈にカテーテルを挿入し、

  • 前立腺への血流を調整する
  • 肥大した前立腺を徐々に縮小させる

ことで、前立腺を縮小させ、排尿症状の改善を目指す治療です。

PAE(前立腺動脈塞栓術)の実際

(治療前)
右前立腺動脈の血管造影像
前立腺右葉の実質の濃染を確認
カテーテルを入れた状態でCTを撮影(CTA)
前立腺右葉のみの実質の濃染が確認でき、異所性塞栓が生じないことを詳細に確認
(治療後)
右前立腺動脈の血管造影像
前立腺実質の濃染の消失を確認

(参考)Bhatia S, et al. Prostatic Artery Embolization: Mid- to Long-Term Outcomes in 1,075 Patients.(J Vasc Inter Radiol 2025)

PAEの特長

  • 皮膚からのカテーテル操作のみで行う低侵襲治療
  • 局所麻酔で施行可能
  • 出血リスクが比較的少ない
  • 入院期間が短く、日帰り治療も可能
  • 外科的手術と比較して性機能への影響が少ないとされる

当院のPAEの強み

前立腺動脈は非常に細く分岐が多いため、高度なカテーテル技術と血管解剖の理解が必要です。

当院では、

  • IVR専門医による精密な血管選択
  • マイクロカテーテルによる超選択的塞栓
  • 非標的塞栓を回避する安全な手技

により、安全性と治療効果の両立を実現しています。

このような方はご相談ください

  • 薬物療法で十分な効果が得られない方
  • 手術を勧められているが、できれば避けたい方
  • 高齢や合併症により手術リスクが高い方
  • 出血リスクを避けたい方(抗凝固薬内服中など)
  • 身体への負担が少ない治療を希望される方

当院での治療方針

前立腺肥大症に対しては、

  • 症状の程度
  • 前立腺の大きさ
  • 全身状態

を総合的に評価し、薬物療法・外科治療・IVR治療の中から患者様に適した治療の選択肢をご提案します。

前立腺肥大症に対する治療は、症状や全身状態に応じて選択されます。

当院では、前立腺動脈塞栓術(PAE)を含め「身体への負担に配慮した治療」をご提案しています。

ご不明点がありましたら、お気軽にご相談ください。

※本治療は患者様の病状や治療歴を踏まえて適応を慎重に判断します。すべての患者様に適応となる治療ではありません。